オレゴン州のぶどう栽培地域(AVA)
Willamette Valleyウィラメット・ヴァレー 1983年設立
  ・ オレゴン州北端のポートランドから、ユージーンの南のカラポヤ山脈まで、ウィラメット河に沿った、南北240km、東西97kmにわたる、オレゴン最大のAVA。名前の通り、ウィラメット河がその中央を走る。最もぶどう畑が集中しているのは、海岸山脈の東側の風が吹き下ろす斜面と、河の支流が形成する谷間。内部に6つのサブ・アペレーションを持つが、これらは全てウィラメット・ヴァレー北部に集中している。シェヘイラム・マウンテンが最も標高が高い地点を持つ。
・ 気候:西は海岸山脈、東はカスケード山脈、北はいくつかの山脈によって厳しい風雨から守られているため、年間を通じて穏やかな気候。これと太平洋からの海の影響があいまって、冷涼気候品種に理想的な気候を形成している。
・土壌: 火山性土壌と古代に海底だった堆積土壌が混合する土壌の上に、1万年から1万5千年前にミズーラ洪水がもたらした砂利、岩、シルト等が堆積した土壌。標高90m以上の場所は、洪水を免れたため、赤みを帯びた火山性土壌のジョリー・ロームが最も顕著。深く水捌けの良い表土から、品質の高いぶどうが生まれる。 ・主なぶどう品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ、リースリング
 
Chehalem Mountainsシェヘイラム・マウンテンズ 2006年
  ・ポートランドから南西へ30km、太平洋からは72km東に位置する。標高500mに達するシェヘイラム山脈の、標高60m以上の斜面にあるブドウ畑から高品質のピノ・ノワールが生まれる。
・気候:標高の高い所ほど冷涼で、昼夜の気温差も大きく、年間降雨量も多くなる(低い所で940mm、高い所で 1,520mm)。
・土壌:玄武岩質、堆積質土壌、風化したレス質等。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ
 
Yamhill-Carltonヤムヒル・カールトン 2005年設立
  ・ウィラメット・ヴァレーのサブ・アペレーション。ポートランドから南西へ56km、太平洋から64km東にあり、ヤムヒルとカールトンの町を含むエリア。標高60~300mにぶどう畑があり、ぶどうの成熟に理想的で霜害のリスクも低い。
・気候:西側の海岸山脈、北側のチェヘイラム山脈、東側のダンディー・ヒルズによって、冷たい風から守られているため、雨が少なく、穏やかな気候が品質の高いピノ・ノワールぶどうの生育に理想的な環境となっている。
・土壌:砂質やシルト質の母岩の上に、古代の海洋性堆積土壌があり、非常に水捌けが良い。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ
 
Ribbon Ridgeリボン・リッジ  2005年設立
  ・ウィラメット・ヴァレーのサブ・アペレーション、シェヘイラム・マウンテンズの中に含まれる、標高約200mの尾根が形成する地区。
・気候:周囲の高い山によって冷たい風から守られているため、より穏やかで乾燥した気候。
これにより、春のブドウ生育開始も早く、夏から秋にかけて、安定した長い成熟期間が得られる。
・土壌:海洋性堆積質の粘土質の混ざったシルト・ロームは、ウィラケンジー土壌の1種で、痩せていて水捌けが良く、ブドウの栽培に理想的。標高200m
・主なぶどう品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ
 
Dundee Hillsダンディー・ヒルズ 2005年設立
  ウィラメット・ヴァレーのサブ・アペレーションで、ポートランドから東南45kmに位置し、周りをウィラメットとシェヘイラムヴァレーの低い平地に囲まれた丘陵地。標高60mの斜面から頂上の325mにかけてブドウ畑がある。1965年にダンディー・ヒルズで最初のピノ・ノワールが植えられた。
・気候:海岸山脈によって、雨をもたらす海の影響から守られているため、降雨量は年間760~1,140mmと少なく、その殆どがブドウ生育期後の秋から冬にかけて降る。標高が高いため、低地部に比べて夜間もより温暖で、霜や霧も少ない。
・土壌:ジョリー土壌と呼ばれる、古代の玄武岩やシルト、粘土、ローム質を含む火山性土壌が主体。非常に水はけが良いことがブドウの品質を高める。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、シャルドネ
 
McMinnvilleマックミンヴィル 2005年設立
  ・ウィラメット・ヴァレーのサブ・アペレーションで、ポートランドから約65km南西に下ったマクミンヴィルの町の西側にある。
・気候: 海岸山脈によって海風から守られている、東向きから南向きの斜面に畑があり、比較的温暖で降雨量も少ない。(年間約830mm)。
土壌:隆起した海洋性堆積ローム質と沈泥質土壌と、その上に重なる沖積質土壌。
海岸山脈の麓の標高60~300mで東から東南向きの斜面に畑がる。600mの厚さの海洋性玄武岩の母岩があることが、この地区の地下水の組成に影響を与え、それがワインに独特の個性とフレーバーを与えている。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ピノ・ブラン
 
Eola-Amity Hillsエオラ・アミティ・ヒルズ 2006年
  ・ウィラメット・ヴァレー内にあるAVAで、オレゴンの州都セーラムの北西に位置する。
・気候:この地区の西側で、海岸山脈が途切れる箇所があり、夏の夕方近くから冷たい海風が吹き込むため、ブドウに引き締まった酸が形成される。
土壌:火山性玄武岩と海洋性堆積土壌。標高の低い場所は沖積土壌。比較的浅く、岩の多い土壌は非常に水はけがよく、粒が小さく凝縮度の高いブドウが生まれる。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・グリ
 
Elkton Oregonエルクトン・オレゴン 2013 年認定
  ・ ダグラス・カウンティの、アンプカ・ヴァレーAVA内でアンプカ川下流に位置する地区。
殆どの畑は標高304mの等高線の下の斜面から、川に近い低地にかけて存在する。
・気候:アンプカ・ヴァレーの北西寄りにあり、太平洋からの影響が強い。アンプカ・ヴァレーで最も冷涼な気候で、長く穏やかなブドウ生育期間が得られる。
・土壌:海岸山脈の形成による、火山性土壌と堆積土壌を主体に、50種以上の土壌が存在する。
・ 主なブドウ品種: ピノ・ノワール、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、バコ・ノワール、リースリング
 
Red Hill Douglas Countyレッド・ヒル・ダグラス・カウンティ 2005年設立
  ・アンプクア・ヴァレーのサブ・アペレーションで、ヨンカラの町の近くにある。
・気候:穏やかな気候で、ブドウ生育期間の平均気温は約24℃。海からの影響を受けるため、アンプクラ・ヴァレーの他の地区よりも雨が多いが、標高が高いため霜害は少ない。
・土壌:標高240~360mのレッド・ヒルの斜面にぶどう畑がある。古代の火山性花崗岩、粘土、ローム質から成る、鉄分の多い赤みがかったジョリー土壌が特徴。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、シャルドネ、リースリング。
 
Umpqua Valleyアンプクア・ヴァレー  1984年設立
  ・ウィラメット・ヴァレーの南側から、海岸山脈とカスケード山脈が合流する地点まで続く。南北105k m、東西40kmにわたる大きな地区。
・気候:北部は冷涼で、ピノ・ノワール等の栽培に適し、南部は、温暖で乾燥した気候で灌漑を要する。
・土壌:多様な土壌が存在する。ヴァレー底部は堆積性または重い粘土質。丘陵地は水捌けの良い沖積質で、より品質の高いワインができる。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、ピノ・グリ、リースリング、シラー、テンプラニーリョ
 
Rogue Valleyローグ・ヴァレー  2001年設立
  ・オレゴンで最も南にあるワイン生産地。3つの山脈が合流する地点にあり、標高360~600mの標高の高い丘陵に畑がある。
・気候:西側は太平洋からの影響を受ける冷涼気候で、ピノ・ノワール等に適し、東側のローグ・ヴァレー流域は、オレゴンで最も標高が高いが、最も温暖で乾燥しており、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン等に適している。
・土壌:変成岩、火山性及び堆積性の砂質ローム質、固い粘土質等多様な土壌がみられる。
・主なブドウ品種:シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、シャルドネ
 
Applegate Valleyアップルゲート・ヴァレー 2001年設立
  ・サザン・オレゴンのローグ・ヴァレーA.V.A.内にある地区。シスキュー山脈に囲まれた標高600mに達する丘陵地でブドウが栽培されている。
・気候:温暖で乾燥した気候。昼夜の気温差が大きく、品質の高いぶどうが得られる。
・土壌:花崗岩質で水捌けの良い土壌。
・主なぶどう品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー、シャルドネ
 
Southern Oregonサザン・オレゴン  2004年設立
  ・オレゴン州南部のユージーンの南側からカリフォルニア州との境界にある広域のA.V.A.で、5つのサブ・アペレーションを内包する。海岸山脈とカスケード山脈の間の南北200k m、東西95k mにわたるエリアの、300~600mと標高の高い渓谷地にブドウ畑がある。オレゴン州で最も早く、1852年からブドウ栽培が始まった。
・気候:温暖な気候の中に、冷涼気候の微気候が存在し、多様性がある。全般的に降雨量が少なく(ウィラメット・ヴァレーに比べて約40%降雨量が少ない)、日照量が豊富で乾燥している。
・土壌:多様で複雑な土壌構成。特に西部はクラマト山脈からの2億年前の堆積岩を主体とする土壌。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・グリ、シラー、シャルドネ、カベルネ・フラン、リースリング、テンプラニーリョ、ゲビュルツトラミナー、ヴィオニエ
 
Columbia Gorgeコロンビア・ゴージ 2004年設立
  ・ワシントン州との境界に近いポートランドから東へ97kmの位置にあるコロンビア・ゴージ(G o r g e=峡谷)は、ワシントン州にまたがるA.V.A.。
・気候:東西64kmにわたる地区の西側は海からの影響が及ぶため比較的冷涼だが、東へ行くにつれて、温暖で乾燥した大陸性気候に変わっていく。
・土壌:ミズーラ大洪水や火山活動がもたらしたシルト・ローム質土壌。
・主なブドウ品種:ピノ・ノワール、シラー、ピノ・グリ、リースリング
 
Columbia Valleyコロンビア・ヴァレー 1984年設立
  ・コロンビア河流域に広がる広大なA.V.A.で、殆どの部分がワシントン州にある。オレゴン側のブドウ栽培地区は小さいが、高品質なブドウを産することで知られる。
・気候:非常に乾燥した大陸性気候。日中の暑さがぶどうをよく成熟させ、夜間の気温の低さが自然の良い酸をぶどうに与える。
・土壌:氷河期に発生したミズーラ大洪水のもたらした砂質、シルト・ローム質の堆積土壌や風化したレス質。
・主なブドウ品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリング、ゲビュルツトラミナー、セミヨン、ピノ・グリ、シュナン・ブラン、シラー
 
Walla Walla Valleyワラワラ・ヴァレー 1984年設立
  ・コロンビア・ヴァレーA.V.A.のサブ・リージョンで、コロンビア河をはさんでワシントン州とオレゴン州にまたがる地区。殆どのワインは、ワシントン州側でつくられている。ブドウ栽培は1850 年代にイタリア人の移民者によって始まった。
土壌: 黄土、石灰シルト 育成期間190-220 日、年間雨量平均12.5 インチ(318mm)
主なぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨンが主要なヴァラエタルだが、メルロー、シャルドネ、シラーも優位を占めている。
 
Snake River Valleyスネーク・リヴァー・ヴァレー 2007年
  ・コロンビア・ヴァレーA.V.A.のサブ・リージョンで、コロンビア河をはさんでワシントン州とオレゴン州にまたがる地区。殆どのワインは、ワシントン州側でつくられている。ブドウ栽培は1850 年代にイタリア人の移民者によって始まった。
土壌: 黄土、石灰シルト 育成期間190-220 日、年間雨量平均12.5 インチ(318mm)
主なぶどう品種:カベルネ・ソーヴィニヨンが主要なヴァラエタルだが、メルロー、シャルドネ、シラーも優位を占めている。
 

 

2013年
  2013年のブドウ生育期は、例年より温暖な天候で始まり、オレゴン州全体で芽吹きが早く、長く温暖な夏を迎えた。早い所では9月第1週に収穫が始まり、殆どの地区で9月中旬までに収穫が始まった。これは、ここ数年で最も早い収穫開始で、温暖だった2003年、2006年に近いヴィンテージになると思われたが、9月末の台風上陸が状況を変えた。すでに、(特に白ブドウは)収穫が終わっていた所もあるが、まだ樹上にある果実も多かった。幸い、10月は温暖で乾燥した天候が続いたため、雨の後まで収穫を待った生産者は、長いハングタイムによる成熟のおかげで素晴らしい品質のブドウを得ることができた。  
2010年
  2010年は、比較的乾燥して暖かい冬(殆どの地区で1月~2月は史上最も温暖だった)の後にブドウの成長が始まった。春から初夏にかけて(4月~6月)は涼しかったが、収穫期は再び温暖で乾燥した天候となった。特に、10月初旬に始まった小春日和は月末まで続き、オレゴン州全域で最高の収穫条件をもたらしたため、小粒で引き締まった房を持つブドウの熟度がさらに高まり、豊かなフレーバーと、素晴らしい酸のバランスがとれたブドウが得られた。全体的に収量が低く高品質で、潜在アルコール度数が低いため、バランスが良く、食事と共に楽しめるワインであり、長期熟成能力も高い。  
2009年
  2009年の天候の特徴は、1週間毎に最高気温の最高値と最低値が更新される程に、気温が激しく変動したことだった。多くの地区で積算温度は2008年より高く、2004年、2006年のような温暖な年に近いものとなった。9月末から10月初旬の収穫開始時期は、温暖になるという予報に反して気温が低くなったが、州内のほとんどのブドウはすでに完熟に近い段階に達していた。生産者は、ブドウが理想的なフレーバーを蓄積し、やや上昇した糖度とバランスのとれる熟度を持った状態となるまで待つことができたため、収穫は10月第3週まで続いた。収穫期の最後に再び気温が上昇したおかげで、畑の湿度は減少し、収量が低くフレーバーの凝縮したブドウが得られた。  
2008年
  2008年のブドウ生育期の始まりは遅く、予定よりも平均10日から2週間遅れて芽吹きが始まった。続く生育期も涼しく、収穫は10月最終週まで続いた。州の北部では、樹上で収穫を待つ小粒で引き締まったブドウが、10月中の温暖な天候のおかげでさらに熟度が高まり、凝縮した色とフレーバーのある、理想的な状態に達した。州の南部と東部では、霜害を免れて収穫されたブドウが、凝縮度の高さと熟れた果実のフレーバーを示している。全般的に収量は低いが、完熟して品質の高い2008年のブドウは、傑出した品質のワインとなるポテンシャルを持っている。  
2007年
  オレゴン州全体において、2007年の春は例年よりやや気温が高く、結実に理想的な条件をもたらした。夏の間も穏やかな天候が続き、酷暑もなく、ブドウは殆ど理想的といえる成熟に達しつつ9月末を迎えたが、その後は雨の多い天候が10月末まで続いた。注意深く収量をコントロールした結果、気温の低さにもかかわらずブドウは完熟し、綿密に畑の作業を行ったことで、カビ病の発生も抑えられた。長く涼しい生育期間中に、フレーバーが成熟し続けたので、ワインのアルコール度数は低い傾向にあるが、タンクや樽から発せられる初期のアロマやフレーバーはワインの品質の高さを示している。  
2006年
  開花期の好天と、温暖で長いブドウ生育期の安定した天候のおかげで、完熟して高品質なブドウの豊作に恵まれたたことは、ブドウ栽培者にとって大きな祝福となった。過去2年間は天候のせいで実が小さく、平均より収量が低かったが、今年はオレゴン州全域で、高い収量が得られた。ウィラメット・ヴァレーのピノ・ノワールの平均収量は、歴史的に1 エーカーあたり2~2.5トン程度だったが、今年は約3トンとなった。このことは、品質への影響はないが、近年のオレゴンワインの人気上昇で、非常に低くなった在庫レベルを改善し、消費者がオレゴンワインへのアクセスを取り戻すことに貢献するだろう。  
2005年
  2005年は、生育期間中に気温が極端に高くなることがなく、収穫期近くに冷涼な天候が続いたため、糖度が低めで、しっかりした酸と理想的なフレーバーを持ったブドウが得られた。秋に雨が降ったが、その後の乾燥するタイミングまで待って収穫した生産者の努力は完璧に熟したブドウによって報われた。アルコールが低目で、高い酸と果実味のバランスのとれた2005年は、オレゴンワインの典型的なスタイルで、食事と共に楽しめ、長期熟成能力も高い。特にこの年のウィラメット・ヴァレーは、長年にわたりクラシックなオレゴン・ピノ・ノワールを特徴付けてきた、フィネスとエレガンスへの回帰といえる。  
オレゴンワインボード日本代表事務所
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